安心安全マップづくりを支援します [NPO法人BigMap]
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BigMap重ねて安心!マップ
 

「重ねて安心!マップ」を通じて交通事故を減らしたい


「重ねて安心!マップ」は、実際に交通事故が発生した場所の情報と、地域の交通安全活動で収集したヒヤリハット情報という異なる種類の情報を地図の上で重ねて表したものです。
地域で生活する住民の方々が認識する交通事故リスクと、実際に事故が起こる場所のギャップを「まっぷdeコミュニケーション」上で視覚化する取り組みです。

取り組みの主体となっているのは、泉交通安全協会(横浜市泉区)です。
泉交通安全協会では、従来から交通事故を減らすために地域の小中学校などで交通安全教育に取り組んできました。
2008年から、NPO法人BigMap(横浜市西区)の協力のもと、交通弱者である子ども達の母親を主な対象した、交通事故地点のメール配信事業への取り組みを開始しました。さらに2009年からは、BigMapが運営するデジタル地図活用ツールを活用した交通安全への気づき活動「重ねて安心!マップ」を町内会や子ども会を対象にはじめています。

BigMapでは、「重ねて安心!マップ」を他の地域でも活用しやすいよう、地域活動の支援を行っております。

 

泉交通安全協会での取り組みの事例

泉交通安全協会での取り組みの事例を通じて、「重ねて安心!マップ」の流れを紹介します。

・事故情報収集
   ->事故注意喚起メール発信

・地域見回り
  ->ペタッとシールでMDC登録
  ->ひやりハットマップ

・事故情報とひやりハット情報
  ->重ねて!安心マップ


●事故情報を活用できるようにする

1)所轄警察署から交通事故情報を入手(毎週)

 警察署から交通事故情報を入手するには交渉が必要です。利用目的を理解していただいて、提供していただく情報を絞り込む必
要があります。

 目的は1つ。交通事故を減らすためです。
 ここは交通安全協会さんと所轄の警察署のお付き合い関係がものを言いますね。

2)MDCへ事故情報の登録・編集・評価
↓の書類が提供された事故情報

 交通事故情報は紙でいただくと思いますが、何枚重ねも紙以上の価値を生み出すのは難しいでしょう。データ化して広く活用できるようにして初めて価値が大きくなってきます。

 本来、交通事故はネガティブな情報です。地図に登録してもネガティブな情報には変わりありません。しかし、それを分析などで活用できるようになると一気にポジティブな情報として活用できるのです。

 地図上の交通事故が起こった場所  に、情報を登録していきます。

 情報を落とすという表現をすることもあります。

 そして大事なことは、情報が正しく登録されているか、表現は適切かなどを確認して承認することです。登録しっぱなしでは価値が高まっていきません。

 そして、全体を俯瞰して何か傾向はないかなどは、地図に落とすだけで効果が出てきます。あるいは、いろいろな対策の効果はどうかなど評価することもできます。

3)交通事故情報メール配信(週刊)

 MDCには、登録された交通事故情報から、交通事故情報メールのスケルトン(骨格)を生成する機能がありますので、それを活用してメールを作成し、一般のメール配信サービスを利用して、地域の登録者にメールを送信します。

 メールには事故の情報と注意点が書かれており、家
族や地域の会話で話されるように期待されています。

●ヒヤリハット情報と重ねてみる

4)子どもたちと地域を見回る 

 子どもたちは意外と「危険を意識」できています。そして、大人がうまく引き出してあげることも重要です。子供たちで気づき、考え、自分の言葉で表してみることで、感じ取った危険を自分事化できます。

 大人が教えてしまっては残念ながら自分事化できない、他人事で終わる危険性があります。自分で気づかせることが何よりも大事です。

 自分事化できているかどうかは、他人(大人や友達)に教えることができるかどうかで量れます。


5)気になる箇所などを調査用紙地図に「ペタッとシール」を貼ってMDCへ登録

 気づいたことをその場で「まっぷdeコミュニケーション(MDC)」に登録するのはちょっと難しいですね。特にお子さんには無理です。そこで調査用の紙地図の上にメモを書き込んでおくか、その場で調査用紙地図にシールを貼ってくるのが良いでしょう。
 その際に、二次元バーコードと呼ばれる白黒の模様がある専用の「ペタッとシール」を貼っておいて、スキャナーで読み込むことで「まっぷdeコミュニケーション(MDC)」の登録(位置情報の入力)が完了するすぐれものを開発しました。

 効果的な活用方法は、上記のような子どもたちを集めて見回りをするような場合に、集まった情報を一気に登録する方法です。見回りから帰ってきてお茶休憩をしている間に登録を済ませ、次の「重ねて!安心マップ」体験へつなげます。

 今、自分たちで集めてきた情報がリアルタイムに表示されるのは少しの驚きとリアリティ、何より自分事化できやすい効果があります。
 
6)上記の事故情報と重ねて、気を付けている箇所の事故が少ないことから「危険を意識する」ことの大切さを実感させる

  まず最初に、登録したヒヤリハット情報を確認し、「まっぷdeコミュニケーション(MDC)」の操作で上記の事故情報を重ねて見ます。実際には両方の情報を同時に表示してみるわけですが、意外なことにヒヤリハット情報と事故情報は一致しません。
 それは、「危険を意識できている場所は事故につながりにくい」ことから当然と言えば当然です。それを改めて理解することに意味があります。
 「危険を意識すること」の大切さを実感をもって学ぶことができます。

 一方、信号機や横断歩道があって安心できると感じる箇所は何らかの危険があったからそのような安全対策がとられていると考えることもできます。安全対策によって完全に危険が除去されていれば良いのですが、危険の除去が難しいので安全策が施されていることも多くあります。
 そのように考えると先人が苦労して安全策を施してくれた場所は何らかの危険信号を発している場所と考えることができるのではないでしょうか?

 このように、ヒヤリハット情報と実際に交通事故が発生した事故情報を重ねることでいろいろなことを知ることができ「危険を意識する」ことができるようになるのです。

 これが「重ねて!安心マップ」です。

 

「重ねて安心!マップ」の関連ソース

  • 泉交通安全協会の取り組みをインタビューにて紹介した記事です
    http://www.bigmap.org/doc/sokai_int_4.pdf
  • 2010年9月「G空間EXPO」における発表資料
    「重ねて!安心マップ」については、平成22年9月パシフィコ横浜で開催された「G空間EXPO」にて、発表する機会を得ました。その際の発表資料です
    http://www.bigmap.org/doc/g-expo.pdf




 

コラム:ハインリッヒの法則

「 1:29:300 」 
ハインリッヒの法則と呼ばれる数字です。

ハインリッヒさんは、アメリカの保険会社で営業部長だった頃、事故情報を分析して重大事故の背後には中規模の事故が、そしてその背後には小規模な事故やヒヤリハットするような事があるという関係を数字で導き出したとされます。

この比率の29の解釈については、大事故と中事故の比率が1:29と捉えるのではなく、30の事故の内1つがたまたま大事故につながった。すなわちどの30の事故も大事故になり得たと捉えるべき意味のある29であるという解釈があります。

そして、300のヒヤリハットをたとえば半分にすることで大事故の起こる確率を下げることができると解釈できます。 

ここ最近、通学路に車両が突っ込むという信じられないような事故が目立っております。

制御されていない車両が突っ込むわけですから、防ぎようのない事故にも見えますが、細かく見ていくと改善の余地があります。

大事故を防ぐ方法として、事故につながった原因をハード面や制度面で改善することと合わせて、ヒヤリハットに神経を使って1つ1つ減らしていく地域の地道な活動が必要です。 

起きた事故から多くを学び次の事故を起こさない努力につなげないと事故の犠牲者を減らすことはできません。

事故は起きるものですが、「危険を意識する」ことができるかどうかでも大きく変わってくると考えられます。

生活の一瞬に「危険を意識する」。

通学路をより安全にする活動と「危険を意識させる」活動をセットで取り組むことが犠牲を減らす第一歩と思います。

「重ねて!安心マップ」もそんな取組みの1つです。